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起業前に知っておきたい個人事業主の税金の種類と目安

      2016/11/27

個人事業主が起業前に知っておきたい税金の種類と目安

サラリーマンなど会社から給料をもらっていた時には、

税金は給与から天引きされていたので、

あまり意識していない方もおられるかもしれません。

しかし、個人事業主として起業した後は、

自分で税金を計算し納付する必要があるため、最低限の知識を身につけましょう。

 

税金の概要を知る必要性

税金の勉強なんて起業後にやれば十分とお考えの方もおられるかもしれません。

 

確かに税金の詳細な知識については、

起業後に勉強するか税理士に任せておけばよいかもしれません。

 

しかし、個人事業主の税金は、給与から天引きされるのではなく、

確定申告により毎年12月31日までの1年間の儲けを計算して、

翌年に税金を納めるという後払いになります。

 

そのため、少なくとも儲けのうち税金分は使わずに貯めておく必要があります。

 

この少なくとも税金分は貯めておくという行為は、

起業した時から意識する必要があるため、

儲けに対して税金が大体どれくらいかかるのかを、

起業前に知っておく必要があります。

 

そこで、儲けに対して税金が大体どれくらいかかるのかを知るために、

起業後に支払う税金の種類と目安についてざっくりと解説します。

 

個人事業主が納める主な税金の種類

場合によって「固定資産税」なども納めることになりますが、

基本的には個人事業主が納める主な税金は以下の4つになります。

 

1.所得税

所得税とは、文字通り1年の間に生じた「所得(儲け)」に対して課せられる税金です。

税率は、所得(儲け)の額によって税率が変わる累進課税制度となっています。

 

税額の計算方法

収入 − 必要経費=所得(儲け)

儲け− 各種控除 = 課税所得金額

 

各種控除は各人で金額は異なります。

 

詳細は「起業後の個人事業主に必要な知識」で学習します。

 

そのため、ここでは「収入から経費を差し引いたのが所得(儲け)、所得(儲け)から各種控除を差し引いたのが課税所得金額と呼ばれるもの」と理解しておけばOKです。

 

そして、この課税所得金額を下記の表に当てはめて計算した結果が所得税の金額となります。

 

例えば、課税所得金額が500万円の場合には、

500万円×20%-63万6000円という計算を行った結果、

36万4000円が所得税の金額となります。

 

<所得税の速算表>

課税所得金額税率      控除額     
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4.000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

 

2.住民税

住民税とは、住所地の都道府県と市区町村に納める税金であり、

「均等割」と「所得割」の合計金額をいいます。

 

「均等割」は地域で一律に決められており、大体の地域で年間5,000円前後とお考えください。

 

税額の計算方法

「所得割」の金額は下記のような計算になります。

 

収入 − 必要経費=所得(儲け)

儲け− 各種控除 = 課税所得金額

課税所得金額×10%=住民所得割

 

各種控除は所得税を計算するときの金額と少し違いますが、

ざっくりと計算する上では同じと考えて差し支えありません。

 

また、10%としている税率についても、

ごく一部の地域では若干の違いがありますが、

1%以内の違いなので10%と考えておいてOKです。

 

例えば、課税所得金額が500万円の場合には、

「所得割」500万円×10%=50万円に「均等割」5000円の合計である50万5000円が住民税の金額となります。

 

3.個人事業税

個人事業税とは、個人が事業を行っていることに対して課される税金です。

 

所得(儲け)が290万円を超えた場合に、

その超えた金額に3~5%をかけた金額が税額となります。

 

なお、個人事業税の税率は業種によって異なり3~5%ですが、

ほとんどの業種は5%です。

 

税率が3%の業種は、

あんま・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復・その他の医業に類する事業などです。

 

税率が4%の業種は、畜産業・水産業・薪炭製造業などです。

 

その他、多くの業種は税率5%です。

 

税額の計算方法

収入 − 必要経費=所得(儲け)

(儲け− 290万円) ×5%=個人事業税

 

例えば、所得(儲け)が500万円の場合には、

(500万円×− 290万円) ×5%という計算を行った結果、

10万5000円が個人事業税の金額となります。

 

4.消費税

消費税は、原則預かった消費税から支払った消費税を差し引き、

その差額を税務署に納める税金です。

 

消費税率は現在8%ですが、

2017年4月より10%に引き上げられることが予定されています。

 

なお、2年前の売上が1,000万円を超えた場合に納付する義務が生じますので、

事業が軌道に乗り売上が1,000万円を超えるころに消費税の納付を意識すると良いでしょう。

 

起業時には2年前の売上がないため、原則的には納付義務はありません。

 

また、起業時に数千万以上の設備投資を行い、

起業前から1年目は赤字が予想されている場合などには、

消費税の還付を受けられる可能性もありますので、

税理士等に相談し慎重な判断・処理が必要となります。

 

税金の申告方法・納付時期など

 

申告方法

いずれの税金も、税務署に確定申告書を提出すれば、申告は完了です。

 

確定申告を正しく出していれば、

基本的に別の申請をするような必要はありません。

 

確定申告は、1年間(1/1~12/31)の収入や経費を基に確定申告書を作成し、

翌年の2/15~3/15(曜日の関係で年により前後します)に税務署に提出します。

 

税額の確定

所得税と消費税は、確定申告書で税額を計算するため、

確定申告書提出時に確定しているため、

自宅に納税通知書などは届きません。

 

一方、個人事業税と住民税は、確定申告書を出しておけば、

税務署からお住まいの地方自治体にその内容で連絡がいくようになっています。

 

そして、それをうけた地方自治体から、

個人事業主のもとに納税額と納付方法の通知が届きます。

 

納付時期

所得税

3月15日まで(正確には、その年の確定申告の提出期限日まで)

 

住民税

6月に住民税の納付通知が地方自治体から届きます。

住民税は、一括納付か分割納付を選ぶ事ができ、

分割の場合には「6月、8月、10月、翌年1月」の4回に分けて納めます。

 

個人事業税

8月に都道府県税事務所から納付通知が届きます。

こちらも一括納付か分割納付を選択できます。

分割の場合は、8月と11月に分けて納めます。

 

消費税

3月31日まで

 

所得(儲け,年収)ごとのトータルの税金金額の目安

おまかな目安として所得(儲け,年収)ごとのトータルの税金金額を下記表に記載します。

 

ただし、前述のとおり、

「各種控除」は家族形態や保険料・社会保険料の支払金額等により変動するため、

下記のような仮定で計算しています。

 

仮定:扶養なし、青色申告で申告、社会保険料合計42万で所得税における各種控除合計は145万円、住宅ローンなど税額控除なし

 

所得(儲け,年収)所得税住民税個人事業税税金合計所得に対する割合
00000 
100万円05,00005,0000.5%
200万円27,50065,000092,5004.6%
300万円77,500165,0005,000247,5008.3%
400万円157,500265,00055,000477,50011.9%
500万円282,500365,000105,000752,50015.1%
600万円482,500465,000155,0001,102,50018.4%
700万円682,500565,000205,0001,452,50020.8%
800万円882,500665,000255,0001,802,50022.5%
900万円1,100,500765,000305,0002,170,50024.1%
1000万円1,330,500865,000355,0002,550,50025.5%

※所得(儲け)がゼロ又はマイナスの場合、

住民税の均等割りは非課税となり、税金合計はゼロとなります。

 

なお、所得(儲け)が目安として700万円を超える場合には、

会社を設立した方がトータルの税金が安くなりますので会社設立を検討する必要があります。

 

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