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売価の決め方の基本!商品・サービスの価格を決定しよう

      2016/11/27

売価の決め方の基本!商品・サービスの価格を決定しよう

ここまでで事業内容も決まり販売しようとしている商品サービスは決まりましたね。

次はその商品やサービスをいくらで販売すべきかという価格戦略のお話です。

価格戦略の決定は、起業・独立開業において極めて大事なため、がんばって読み進めてください。

 

起業時に先を見越した価格戦略を決めておかないと・・・

 

例えば、起業したてでお客様がいないので安くしてお客様を呼び込もうと考え、

なんとなく、相場よりずいぶんと安い価格設定にしました。

 

お客様は来るんだけど、働けど働けど生活は楽にならない、

まさに貧乏暇なし状態。

 

これではダメと、

価格を一気に値上げしたらお客様が離れて行ってお店は閑古鳥状態・・・。

 

せっかくついたリピータも離れ、資金が底をつきあえなく廃業。

 

上記は価格設定の失敗の典型的な例ですが、

なにがいけなかったのでしょうか?

 

起業時に相場よりずいぶんと安い価格設定にしたから?

 

違います。

 

安い価格設定でも、

利益がきちんと確保できていれば事業はうまく回っていたはずです。

 

失敗の一番の原因は・・・

なんとなく価格を設定してしまったことにあります。

 

何の計算もなくなんとなく価格を決めてしてしまったから、

お客様がいっぱい来ても思ったほどの利益にならず価格変更せざるえず、

安さが武器にもかかわらず値上げという悪手を打ってしまいました。

 

このような起業時の価格をもとにした失敗がないように、

価格の決め方について解説していきます。

 

 

価格の相場を知ろう

 

孫子の兵法に出てくる有名な一節に、

敵を知り、己を知れば、百戦危うからず

という言葉があります。

孫子の残した名言の一つですが、

ビジネスにおいてもそのまま当てはめることができます。

 

「戦いに勝とう(ビジネスで成功しよう)と思うなら、

まず相手(競合他社)のことを知らなくてはならない。

相手を研究し、自分の得意・不得意についてよく理解すれば、

どんな戦いでも勝つことができる。」

 

この一節での本質は、

戦う前から敵や自分をよく研究することで、

戦う前から勝っている状況を作り出すことです。

 

ビジネスに当てはめると、そう、戦う前とは「起業時」です。

 

提供するサービス・商品の価格を決定するはじめの一歩は、

ライバルである競合他社の価格やサービスの質を知ることにあります。

 

大まかな価格の相場というものは、

起業する業務内容の経験者なら把握しているはずですし、

飲食業やサービース業ではインターネットや実際にライバル店に足を運ぶことで、

起業しようとしている地域の同業種の価格やサービスの質を把握できるはずです。

 

 

価格戦略の種類を知ろう

 

相場をもとにした消費者目線での価格戦略には、

高価格戦略・中価格戦略・低価格戦略の3つがあります。

 

高価格戦略

相場の価格帯より高い価格設定を行う価格戦略であり、

価格にとらわれない富裕者層を主にターゲットとします。

 

価格の上乗せ分は、ブランドや業務の歴史など、

起業後すぐにできるものではないものに起因することが多く、

大衆向けに行うチラシ広告などは逆効果になる場合があります。

 

中価格戦略

概ね相場の価格と同一の価格帯で価格設定を行う価格戦略であり、

一定の競争がある場合に多く採用される最もポピュラーな価格戦略です。

 

低価格戦略

相場の価格帯より低い価格設定で価格設定を行う価格戦略であり、

低価格であること自体が一定の広告効果があると共に、

リピータにつなげやすいメリットがある。

 

しかし、基本的には大資本を持った企業が、

スケールメリットを生かして低コストで行う場合が多く、

小資本の起業化が起業時にこの価格戦略を行うと売上げの割に利益が少なく、

また薄利多売のため回転を上げるために従業員を多く雇う必要があるなど、

失敗につながる可能性が高いです。 

 

馴染まない価格戦略 

ここで注意点があります。

業種によっては、複数の代わりとなる市場が存在することにより、

馴染まない価格戦略がある点です。

 

私の業務の一つである税務申告業務の市場の場合、

法律により税理士資格が必要なため、

代わりとなる市場はないため上記の高価格~低価格戦略の全てを採用できます。

 

しかし、

例えばラーメン屋で高価格戦略を採用することはどうでしょう?

 

ラーメン屋は飲食というくくりであり、

お寿司屋・イタリアン・牛丼屋に至るまで、

様々な代わりとなる市場が存在します。

 

このような場合、飲食業界で高級なイメージと言えば、

料亭やフレンチなどが挙げられ、

ラーメン屋は決して高価格ではないというイメージがついています。

 

そのため、相場を大きく超えた高価格の場合には、

そんな金額出すならお寿司でも食べようと考えるのが普通であり、

他の市場に逃げられ見込まれるお客様は極端に少なります。

 

このように複数の代わりとなる市場が存在する場合には、

起業しようとしている業種について他の市場との位置づけを考える必要があります。

 

 

起業時におススメの価格戦略

 

起業時の基本は中価格戦略

まず、高価格戦略は起業時には歴史もブランドもないことから基本的には、

上乗せの価格に相当する根拠を作ることができないため、

起業時には採用することは難しいです。

 

次に、低価格戦略は薄利多売のため従業員を他の戦略より多く雇う必要があり、

起業時のあまり資金に余裕がない状態では採用することは難しいです。

 

業種や立地・コンセプトに左右されることはありますが、

私が起業時におススメする価格戦略は、

競合他社に商品・サビースの質は負けていないという前提で、

中価格戦略のうち相場の上値を価格にしたうえで、

値引きを利用することです。

 

例えば、ラーメン屋さんの例では地域のラーメンの相場が、

600円~750円だった場合には、

700~750円で販売した上で、

ポイント券や割引券をお客様にお渡しする方法です。

 

これは起業時の最大の課題である

①新規顧客をどうやって獲得するか

②リピータをどうやって獲得するか   

という2つの課題をクリアしやすいためです。

 

この価格戦略では、

 

①利幅がある程度確保できる

 

②利幅がある程度確保できているため、後からの価格変更があまり必要ない

 

③起業時にチラシなどの広告を行う場合に、相場での価格設定のため、その広告に値引きなどの付加価値を付けても利幅が確保されつつある程度の反響を見込める

 

④新規顧客にポイント券や割引券を渡しても、利幅が確保されつつリピート獲得効果が見込める

 

など経営上柔軟な対応が可能になります。

 

高価格戦略が有効な場合

起業時に高価格戦略は採用しづらいですが、

以下のケースなどでは高価格戦略が有効と考えられます。

 

①代替市場がなく、かつ、全くの新しいサービスで競合他社がなく、重要が一定数見込まれている場合(ただし、このケースでは価格相場がないためPSM分析などで価格相場を予想する必要がある)

 

②高価格戦略を採用する競合店が密集している立地で、その立地自体がブランドを持っている場合

 

低価格戦略が有効な場合

起業時に低価格戦略は採用しづらいですが、

以下のケースなどでは低価格戦略が有効と考えられます。

 

①既存のサービスを一新する新しいサービスで起業する場合(既存のサービスを価格面で消費者に有利になるという広告効果を狙う場合)

 

②自宅店舗や家族従業員など競合他社に比べて固定的な費用があまりかからない場合

 

③インターネット物販など最低価格が容易に見つかりやすく、最低価格であることが消費者の購買動機の一番である場合

 

 

価格についてその他に知っておきたいこと

 

値引きの見せ方

値引きの表示方法については●●%OFFや●●円引きなどがありますが、

日用品や食料品など金額の安いものについては●●%OFF、

車や高級品など金額の高いものについては●●円引きとするほうが、

お客様がお買い得と感じやすいです。

 

また、日用品や食料品などについては、●個買うと+1個という値引き方法も有効です。

 

価格変更

消費税増税など増税のタイミングを除き、

価格変更はリピーターの客離れの原因になったり、

販促物への価格変更に伴う追加コストが発生するため、

極力避ける方が望ましいです。

 

原材料などの値上げで利幅が確保できない場合に、

その他のコストをカットできないかをまず模索してください。

 

それでも厳しい場合には、最終手段として価格の変更を行いますが、

今のように将来増税が決まっている場合には、できればその時まで我慢して、

増税のタイミングに合わせて値上げを行う方が、

いくぶん値上げによる客離れを防ぐことができます。

 

そもそも、価格変更をできるだけ行わないように当初の価格設定を慎重に決定してください。

 

 

原価から価格を設定する方法

原価に●●%の利益を足し合わせた金額を価格とする方法であり、

建設業や製造業など対企業向けの事業を行っている業種で、

一般的に採用されている価格戦略です。

 

相場価格を基準に価格を決定するのは、

主に消費者の価格ニーズを基に価格を決定しているのに対して、

この方法は事業者側のコスト面から価格を設定する方法です。

 

この方法を採用する際の最大のポイントは、原価の正しい集計です。

また、需要供給を考慮した物価を基準にした価格戦略とこの方法併用して、

価格戦略を決定する場合もあります。

 

 

以上で価格戦略の説明は終わりです。

上記を踏まえて、ご自身の事業のコンセプトにふさわしい価格戦略を採用してください。

 

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