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どちらの起業が有利?法人と個人事業主の違いを理解しよう

      2016/11/27

どちらの起業が有利?法人と個人事業主の違いを理解しよう

起業を行うにあたっては、個人事業主としてスタートするか、株式会社や合同会社など法人としてスタートするかを、はじめに決める必要があります。

個人事業主と法人の違い

個人事業主(自営業者)で起業する場合と法人で起業する場合の1番の違いは、

少し難しい言い回しになりますが、

権利義務の帰属主体が異なるということです。

 

個人事業主で起業した場合、

売上や仕入・銀行からの借入に至るまで、

全ての契約はあなた自身が契約し責任を負います。

事業に失敗して廃業した場合にも、

仕入や銀行からの借入の債務についてあなた自身に返済義務がそのまま残り、

返さなければいけません。

 

一方、法人で起業した場合、

売上や仕入・銀行からの借入に至るまで、

全ての契約は法人が契約し責任を負います。

そのため、事業に失敗して廃業する場合には、

適切な法人の倒産処理をすれば、

仕入や銀行からの借入の債務について返済義務は法人の倒産処理と共に無くなり、

あなた自身の債務として残ることはありません。※

※法人の保証人になると
起業家が法人の保証人になっている契約がある場合には、その契約については法人の倒産処理しても起業家に債務が残ります。

 

その他、個人事業主と法人では開業手続き、

初期費用、ランニングコスト、自由度、税金の金額、

経費の範囲、日常処理、社会的信用度などに違いがあるため、

どちらが有利不利かも含めて下記で解説します。

 

法人の種類

法人には、基本的な種類として株式会社、合同会社、合名会社、合資会社があります。

 

合名会社・合資会社は上記の権利義務の帰属主体について、

起業家が常に法人の保証人になっているとイメージすれば良いでしょう。

実際には合名会社・合資会社はほとんど使われませんので、

選択肢から外して大丈夫です。

 

一方、株式会社、合同会社は、法人での起業によく使われます。

株式会社の方が社会的信用度・認知度が高い代わりに、

合同会社に比べて、初期費用が高くなり日常処理が煩雑になります。

 

 

個人事業主vs 株式会社 どちらが有利・不利? 

一般的な事項について、

個人事業主と株式会社でどちらが有利・不利かを比較した一覧です。

 

赤字で記載されている方が有利となります。

 個人事業主株式会社
開業手続き簡単多くの手続きが必要
初期費用なし株式会社の場合30万程度
ランニングコスト

従業員5人未満の場合社会保険加入義務無し

勉強すれば税理士に任せなくても自分で申告できる

社会保険加入義務

原則的に申告に税理士が必要

自由度自由に業務変更可能手続きが多い
税金の金額

利益が少ないときは有利

基本的に赤字の場合税金はかからない

利益が大きいときは有利

赤字でも税金がかかる

経費の範囲会社に比べ範囲が狭い個人事業に比べて範囲が広い
日常処理少ない多い
社会的信用度低い高い

 

個人事業主か法人のどちらでスタートすべきか

上記のように個人事業主・株式会社にはそれぞれ一長一短あり、

一概にどちらが得で損とは言えません。

 

あなたご自身のみで起業する場合や従業員5人未満で起業する場合は、

基本的には個人事業主でスタートすることをお勧めします。

 

なぜなら、

①起業スタート時の最優先課題は、

生活費をまかなえる売上げを確保することであり、

そのためには各種の営業に時間や資金を注ぐ必要があり、

時間やお金を事務処理面にあまりかけたくありません。

 

個人事業主でのスタートの方がお金もかからず、

事務処理面も会社に比べて簡単なため時間の節約になるためです。

 

②個人事業で起業したケースでは、赤字の場合には税金はゼロです。

しかし、会社で起業したケースでは、赤字の場合でも税金がかかります。

(法人住民税の均等割、役員報酬にかかる所得税・住民税)

 

会社で起業したケースで起業1年目で赤字の場合には、

資金的に余裕がないにも関わらず税金が発生するので、

ダブルパンチになりすぐさま廃業の危機となるおそれがあるからです。

 

③会社で起業する場合には、

あなた自身の取り分を給与(正式には役員報酬)で支払いますが、

税務上の観点から、先に毎月の給与を決めないといけません。

 

毎月の給与をいくらにするかで、

会社とあなた自身への税金の合計は大きく変わるのですが、

税金の額をできるだけ小さくするには、

利益(儲け)が、いくらぐらいになるか分からないと計算できないのです。

 

しかし、起業一年目の場合には、過去の実績がないため、

このいくらぐらい利益がでるかの予想が困難なため、

税金をたくさん払わないといけない結果になるおそれがあるからです。

 

②・③については、少し難しいので理解できなくても大丈夫です。

 

とりあえず、

起業は個人事業主でスタートし、

事業が順調に拡大した後に、

個人事業主から会社へ形態を変更する「法人成り」を行うことをおすすめします。

 

ただし、以下のような場合は起業時から会社にした方がいいと考えられます。

 

株式会社など法人として起業すべきケース

・事業の許認可をとるのに時間や費用が多くかかる事業の場合。

(個人から法人成りする場合に許可を移管できないので改めて取得する必要があるため)

 

・見込み客で個人事業主とは取引をしないという企業がある場合

 

・複数人でお金を出し合って起業する場合

 

・起業当初から見込み客をある程度確保しており、年間1,000万円を超えるような利益が見込まれる場合

 

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